無濾過

無濾過という表現については、業界内にはっきりとした定義はありません。

濾過とは、酒を搾り滓引き（おりびき）した生酒の中に残っている米のカス様の細かい滓や雑味を取り除くことで、酒の色を透明に近づける目的もあります。

この工程をあえて省略することを広義に無濾過と表現しますが、濾過にはいろいろな手法があり、蔵元によっては、活性炭を使用した炭素濾過以外は、濾過と認識していない場合もあります。

濾過の手法としては、炭素濾過の他に、珪藻土や濾紙を使用した濾過や、カートリッジ式のフィルターを使用する方法、綿濾過（素濾過）と言われる木綿の繊維を使用する濾過方法などがあります。

ラベル等に無濾過と表示されていても、実際にはゴミ等を取り除くために目の粗いフィルターを通している場合や素濾過を施している場合もあり、いかなる工程の濾過も一切行わない完全無濾過の酒は少ないと推定されます。