シャトー ラ トゥール ド ベッサン
Chateau la Tour de Bessan
カントナック村に位置するシャトー。名前は、13世紀建造のメドックで最も古いひとつである塔に由来しています。1972年にリュシアン・リュルトンの所有となり、シャトー確立のためあらゆる手段が講じられました。1992年に娘のマリー・ロールが後を継ぎ、このシャトーの指揮を執っています。目指すのは、フルーティーでバランスの良い、テロワールに結びついたワイン。1999年からテクニカルディレクターを務めるエミリ・ルレのもとに始めた環境に配慮した農法も実を結び、2003年から毎年『テラ・ヴィティス』の認証も受けるようになりました。
マリー・ロールはワイン醸造学を修め、父親の所有する幾つかのシャトーで6年の経験をつんだ実力者で、このシャトーのブドウ畑の各区画を熟知していました。現在、畑の作付面積は29.5ha。アルサック、カントナック、スッサンの3つのコミューンにメルロ(55%)、カベルネフラン(43%)、カベルネソーヴィニヨン、そして2012年からプチヴェルドを栽培しています。土壌は水はけのよい砂礫と小石交じりの粘土石灰質です。2012年から、ラトゥール、マルゴーなど名だたるシャトーを手がける左岸のカリスマエノログのエリック・ボワスノーのコンサルティングを受けています。
技術設備にも投資が進み、人間工学の醸造タンク、セラー、そして試験室が設置されました。1999年に改装された非常にモダンなこのシャトーは、ダイナミックさと高品質を追及する姿勢を表しています。2013年からは選果機のついた収穫機を導入。カベルネソーヴィニヨンは成熟が難しいため、このマシンはよく熟したブドウのみを選別するのに効果的で、品質向上が図れます。醸造では、無理な抽出をせずに、タンニンが溶け込み過ぎないように、温度管理、マセラシオンの期間、ルモンタージュの頻度などに注意を払っています。