ラチェミ

Racemi

http://www.racemi.it/

プーリア州はイタリア半島の踵の部分にあたる気候に恵まれた地域で、ワインの生産はイタリア国内で第2位、オリーブは第1位を誇っています。近年は栽培面積も生産量も減少傾向ですが、DOCワインの割合は増え、ピエモンテやトスカーナと並ぶDOCワインの多い州となっています。
高品質な葡萄が出来るので、過去長い間北イタリアのブレンド用として使われてきました。ラチェミの当主グレゴリオ・ペルッチ氏の父親は以前、1200人もの栽培家から葡萄を買入れ、ネゴシアン的にワインの醸造と販売を手がけてきました。父親から巨大なペルヴィニ社を引継いだペルッチ氏はこの地の潜在的な可能性に以前から着目、それまでのバルクワインの生産よりもワイン造りそのものに力を注ぎました。

1992年に近代的な醸造所を設立、その後品質向上に真剣に取り組む意志を持つ生産者を集め、1998年にアカデミア・ディ・ラチェミと言う組織を結成しました。醸造は1ヶ所で、各生産者毎に分けてワイン造りを行っています。ラベルには、個々のワイナリーの名前を記載、土地柄を反映するワインを生み出しています。シンファローザ、テヌータ・ポッツォパロ等複数のブランドを所有して、様々なプリミティーヴォの味わいを創り出し、高い評価を得ています。彼は自分達だけのブランドを確立するより、プーリアワイン全体の向上を目指し、固有の品種,特にプリミティーヴォと土地柄を大切にした考え方を基本に、高品質なワインを生み出しています。2007年には"ラチェミ"と名前も改め、より一層魅力的なワイン造りを進めています。

プーリアの土壌の違い 赤い土壌(ペルヴィニ・イ・モリーニ、アルキダモ)
山の侵食に由来するもので、酸化鉄の含有量が多い。それほど深いものではなく(35~60cm)、大抵この層の下には石灰質の石の層がある。味わいに反映する特徴としては、凝縮感があり、果実味豊かで甘みも多くアルコール分も豊か。過熟すると、ベリーではなく黒いプラムの様な味わいになる。雨の多い天候の時は、4つの土壌の中では、一番出来が良くなる。通例収穫時期は、8月の初旬。
黒い土壌(シンファローザ・プリミティーヴォ、ジンファンデル)
沖積世に由来。土壌は深く数メートルにも及ぶ。
粘土石灰質で、カリウムや燐等有機物も豊か。スパイシーな風味が特徴。アカデミア・ディ・ラチェミの土壌の中では、乾燥した天候の時には一番良好な状態になる。通例収穫時期は、9月2週位。
白い土壌(テヌータ・ポッツォパロ)
粘土石灰質、炭酸カルシウムが豊か。根本的な特徴は、黒土と似ている。このワイン、ジラヴォルタの畑は大変風が強く、乾燥しているので、アロマ豊かで、エレガントな仕上がりになる。通例収穫時期は、9月2週位。
海岸近くの砂地の土壌(マッセリア・ペペ、デュニコ)
海の岩の侵食により出来た土壌。珪素が豊か。収穫量がとても少ないので、凝縮感が豊か。海から35m位の所に位置する畑。複雑さがある味わいになる。