ビーニャ ファレルニア

Vina Falernia

http://www.falernia.com/

イタリア、トレンティーノから12歳の時に移住し、ブランデーの会社を経営するアルド・オリビエ・グラモラと、エノロジストのジョルジオ・フレッサティの出会いから、1998年に設立されたのがビーニャ・ファレルニアです。

フレサティは、1995年に観光目的で初めてエルキ・バレーを訪れ、その時、「どうしてこの素晴らしい渓谷でワインを造らないのか!」と思い、その翌日にはワイン造りを決意しました。それから、数時間おきに風や湿度、気温などの気候条件を毎日計測し、徹底的に調査しました。調査は2年間続き、1997年、ベストと思う場所に葡萄を植えました。二人は、「それまで生食用やブランデー(ピスコ)用の葡萄しか造られていなかったこの地でワイン造りを始めることは革新的な出来事だった。情熱と技術、チリの大学のアグロノミストのサポートによって、チリの主要な生産地からはるか遠く離れたエルキ・バレーを、計り知れないポテンシャルをもつ素晴らしいワインを生む葡萄畑へ変貌させるという目標が、原動力になっている。」と考えています。

畑はエルキ・バレーの4箇所に別れており、それぞれ特有の気象条件をもっています。
ティトンは、標高350mで海岸から近く、海からの冷たい風のため標高がもっとも低いにもかかわらず一番涼しい畑です。セミヨン、リースリング、シラー、サンジョベーゼ、ソーヴィニヨン・ブランを栽培。
ペドロガールは、標高600mで、40haあります。カルメネール、カベルネ・ソーヴィニヨン、シラーを栽培。川の流れを変えて畑を作ってしまいました。
ビクニャは、標高600mで、畑を横断するように灌漑用の用水路が引かれています。カルメネール、シラー、カベルネ・ソーヴィニヨンを栽培。
ファンタは、標高1700-2070mで30ha。おそらく世界で最も高い場所にある葡萄畑のひとつで、日中は焼けるほど暑く、日が落ちると途端に寒くなるという、寒暖の差の激しいと場所です。ペドロ・ヒメネス、ミュスカテル、ソーヴィニヨン・ブランが栽培されています。他が石ころだらけなのに対して、ここは土しかありません。

酵母は発酵には人工酵母を、マロラクティック発酵は自然酵母を使用します。タンクやボトリングマシーンは、イタリアから輸入しました。ステンレスタンクは、同じ温度をキープするため、12cmも厚さがあるものを選んでいます。樽はフランス産とアメリカ産を使っています。どちらもカントンという樽会社のもので、ホワイトチョコレートのような甘さを持った味わいと、タンニンを丸くする特徴があります。現在は225Lだけですが、大樽に移行していく予定です。フィルターは瓶詰め前に、赤は1回のみですが、白はマロラクティック発酵をしないので二次発酵のおそれがあるため2回通します。

ヒュー・ジョンソンとジャンシス・ロビンソンの共著にある「世界のワイン」のチリの項目に、「ビーニャ・ファレルニアはさらに北のエルキでも2000m以上の高度で上質のワインを生産できることを証明した」と書かれています。また、カルメネール・レセルバが、「チリの最高級品のいくつか」として、アルマヴィーバやドン・メルチョ等と並んでラベルが掲載されています。ワインのラベルは、インカ文化の地上絵で、歴史を尊重して使っています。