ミケーレ・サッタ

Michele Satta

http://www.michelesatta.com/

トスカーナ地方の西海岸側に位置するボルゲリ地区は、スーパー・タスカンの誕生の地として世界的に有名な地域。西はティレニア海に面し、北から東、南にかけてなだらかな丘陵地帯が広がり、恵まれた日照と、海風、激しい寒暖の差によって、ワイン造りに最高のブドウが造られます。この地では、各々の生産者が、DOCGなどの国の規定にこだわらず、自由なワイン造りをして多くの素晴らしいワインを産出しています。ボルゲリは内陸部に比べて日射量が多く光に強さがあり、酸やタンニンが成熟し果実味豊かなワインが出来るのが特徴です。

『樹勢が強く枝の伸び方もバラバラで、コントロールが難しいサンジョベーゼを成熟させるには、畑に何度も入り手をかけなければいけません。サンジョベーゼは最初からパワフルな味わいのわかりやすいタイプではありませんが、時間をかけて飲み続けていくうちに奥深さや複雑さが現れて、それが飲み手の心に伝わり深く心に残るワインになると思うのです』とミケーレサッタは言います。つまり、時間をかけてもじっくり確実に、ボルゲリのワインの良さとサンジョベーゼの奥深い魅力を伝えていきたいと考えているのです。

ミケーレサッタは大学時代の夏のキャンプでトスカーナに惹かれ、それからワイン造りを学び自身のワイナリーを持ちました。家族がワイン造りに携わっているわけではなく、純粋に自分自身の夢を実現した形でワイン造りを始めました。大学卒業後先ずボルゲリの農園で、果樹や野菜の栽培に従事、一日中汗をかきながら畑で働く生活に愛着を感じ、またこの土地や自然にも心を打たれました。1984年、ミケーレ29歳の時にこの農園の仕事を辞めて独立。ワインには技術だけではなく文化的な要素が多く、直感的にこの分野で高レベルに達したいと強く感じたのでした。醸造家アッティリオ・バッリとも出会い、彼の協力を得ながらスタート。当時の事をミケーレは、先入観や理論ではなく日々畑で経験する様々な現象からの再発見の日々だったと語っています。所在地はボルゲリ、カスタニェート
カルドゥッチ。畑は25ha、年間生産量150,000本。

ワイン造りへの情熱とこの土地への熱い思いを抱いたミケーレが、"我が天職はワイン造り!"と目覚めて、独立。
ロマネコンティを訪れた事も、設立のきっかけになりました。まだまだ浅い歴史の割りに高く評価され、根強い人気を誇っています。

最初にサンジョベーゼを醸造したのは1990年。
翌年91年からカベルネ・ソーヴィニヨン、メルロー、シラーを栽培。トスカーナの中でも比較的温暖な2.5haの畑に、エレガントなワインが出来るのではとシラーを栽培、これが後のピアストライアを構成する重要な品種となりました。1992年、興味のあるブルゴーニュからヒントを得て、発酵にステンレスタンクではなく上面開放式の大樽を使用。最近では珍しくはありませんが、当時としては早い方で、現在はカヴァリエーレとピアストライアで使用しています。1997年に7haの畑を買い足し、岩の多い斜面を利用したセラーを増築。ヴェルメンティーノとソーヴィニヨン・ブランからの白、コスタ・ディ・ジューリアが誕生。1999年には樽発酵ためのスペースや熟成庫、そしてショップを併設するために改築しています。近代的な設備も備えたセラーも1988年に完成し、品種の個性を素直に表現したワインを目指しています。