杉井酒造 杉錦 菩提酛 純米

Sugiishuzo Suginishiki Bodaimoto Junmai

菩提酛は「生酛」の原型といわれ、日本酒の醸造の歴史ではかなり古くから使われてきた素朴な造り方です。その造り方ですが一合ほどの炊いた飯と一掴みの麹を布の袋に入れて一斗ほどの水に漬けます。この時、酛の掛米にする白米を生のまま一緒に水に入れます。7日くらい放置しておくと軟らかな飯は自然に溶け出して乳酸菌が繁殖して水はすっぱくなり、自然に酵母菌も生えてきます。そこで漬けておいた白米を取り出して蒸し、麹とこのすっぱい水を加えて酛を仕込みます。乳酸により雑菌の繁殖は抑えられ自然に繁殖した酵母はすぐに醗酵し始めます。酸とアルコールが蓄積されて仕込み後10日ほどで酛ができあがります。この酛を使って通常の3段仕込みを行いました。

酸度と日本酒度の数字のわりには菩提酛の酒はなぜか甘く感じます。乳酸発酵によるヨーグルト臭やクセはありません。この酒の味にまるみと熟成による深さが加わって本当によくなるのは熟成が進んでからなのですが、酸味のさわやかさと低めのアルコール、麹バナのある若めの味わいは夏の酒としてもいいと考えてます。