ケナルデル & フィス

Quenardel & Fils

http://www.famille-labruyere.com/

ケナルデル&フィスの創業は19世紀初頭、1863年から自社瓶詰めを行っていたというヴェルズネイ村の名門RMで、1993年に4代目クリステル・ケナルデルが継承しました。彼女の夫ジャン・クリストフ・フォーコンプレは名手としてつとに名高く、彼が手がけたシャンパンはヨーロッパ中のシャンパン愛好家を中心に、毎年予約完売状態が続いていました。
やがてメゾン継承から20年の歳月が経った2012年、後継者に恵まれなかったご夫婦は、事業の売却を決意。多くのメゾンや投資会社が名乗りを上げる中、「金額ではなく情熱で」ご夫婦のハートを射止めたのは、ブルゴーニュのジャック・プリウールなどを擁するラブリュイエール家でした。

先日、ラブリュイエール家の3代目当主、エドゥアルド・ラブリュイエール自らが来日して、思いを熱く語ってくれました。「ピノ・ノワールとシャルドネのプロフェッショナルとして、かねてより、理想のシャンパンを造る夢を抱いてきました。RMを購入できる機会は多々あるのですが、絶対に譲れなかったのは、ヴェルズネイのRMであることです。非公開情報なので詳しくは言えないのですが、世界中のシャンパン・ラヴァーが知っているあのメゾンのあのプレスティージ・キュヴェにも、別のメゾンのあのプレスティージ・キュヴェにも、ヴェルズネイのピノ・ノワールが約20%使用されています。真にエレガントで偉大なシャンパンを造ろうとする時、ヴェルズネイのピノ・ノワールは「鍵」であり、ヴェルズネイは、シャンパーニュにおけるピノ・ノワールの王様なのです」。
「とりわけきめの細かい泡で知られる素晴らしいシャンパンを造り続けていたケナルデルの伝統をしっかりと継承しつつ、ジャック・プリウールでの経験やフィロソフィーも適用していきます。泡やドザージュでごまかすのではなく、ワインとして美味しいシャンパンを造っていきます」。
尚、ラブリュイエール家によるケナルデルの購入完了は2014年で、この年の収穫分の醸造までは、前当主ジャン・クリストフ・フォーコンプレが手がけました。以降のデゴルジュマンからドザージュのオペレーション、及び2015年収穫分からの醸造は、1990年よりジャック・プリウールの醸造長を務め、ブルゴーニュを代表する醸造家のひとりであるナディーヌ・ギュブラン女史率いる新醸造チームによって行われています。
「2015年収穫分から総生産量の約4分の1を、ジャック・プリウールで使用した樽で発酵させました。今後をぜひ楽しみにしていてください」(以上、エドゥアルド・ラブリュイエール)。

厳格なリュット・レゾネ栽培(化学肥料と除草剤は一切使用しない)。近年中にビオロジー栽培に転換の予定。
シャンパーニュでは極めて珍しい選果台を導入。マロラクティック発酵を行う。