ポール アンホイザー

Paul Anheuser

このナーエ地区を代表する醸造所は、この地で古くから葡萄栽培の歴史を持つアンホイザー家により1888年に設立されました。醸造には、現在も木製の大樽を使用する伝統派。70%がリースリングです。アルテンバンベルグ、バート・クロイツナッハ、ニーダーハウゼン、ノルハイム、シュロスベッケルハイムの1級畑も所有。総合畑名は使用していません。木樽での低温発酵が特徴で、ナーエのワインの典型的なアロマを引き出しています。ワインのタイプは、中辛口や辛口が半分を占めており薫り高く調和のとれた味わいには定評があり、ヒュー・ジョンソン氏も産地・造り手の評価を4ツ星満点の評価をしています。現当主は、13代目のルドルフ・ペーター氏。

ポール・アンホイザー醸造所のワイン造りの伝統は今から380年ほど前の三十年戦争(1618年~1648年)の初期からあります。1627年にアンホイザーという名前のワイン造り(vinter)がバードクロイツナッハの市民であった事が知られています。また1842年に十代目の兄弟二人がアメリカへ移住し、その一人エバハート・アンホイザーがミゾーリ州のセント・ルイスに醸造所を設立、それが現在世界的に有名なビールメーカー、アンホイザー・ブッシュ社です。
エバハートの甥のルドルフ・アンホイザーはバードクロイツナッハの境を越えて、ワイナリーを拡張。それが現在のモンツィンゲン、シュロスベッケルハイム、ニーダーハウゼン、ノールハイム、ロックスハイムとアンテンバムベルクなどの畑で、地質や気候にとても恵まれています。

当時ナーエ地域でワイン造りのパイオニアの一人だったルドルフ・アンホイザーはリースリングワインの純粋で安定した性質を発見。その優れたワインを若くて新鮮なうちに瓶に詰め、ヴィンテージごとに最適な瓶熟成を経て出荷する事とし、大きな成功をあさめました。