ニコラ・ポテル

Nicolas Potel

http://www.nicolas-potel.fr/

メゾン・ニコラ・ポテルは1997年、ニコラの父である故ジェラール・ポテルが所有していたヴォルネイのドメーヌ・ド・ラ・プス・ドールの売却後に設立されました。

その後1998年1月より、ブドウの買い付けと醸造、および著名なアペラシオンワインの買い付けといったネゴシアン業に取り組んでいます。

そして近年は、特に醸造設備や施設面の向上に力を入れています。本社はニュイ・サン・ジョルジュ駅のすぐ前にある、伝統的なブルゴーニュの屋敷を改装した建物に移転し、醸造施設も駅前のSNCF(フランス国鉄)所有の建物を長期賃貸契約を結んで使用しています。なお、この施設は醸造作業に最適な様に改装され、高品質なワインの醸造に必要な設備が整っています。

ニコラの醸造哲学は、彼ならではの素晴らしいワインを造り出し、今では著名なガイドブックで取り上げられるまでになりました。また、フランスのみならず、海外のワイン専門誌でも数多く取り上げられています。

僕は、良いワインを造るには樹齢が重要なポイントであると考えています。というのは・・・

  • ヴィエイユ・ヴィーニュ(樹齢の古い木)は地中深くに根を張り巡らせるため、乾燥に強く、テロワールの特徴をハッキリと表現させるのに必要な栄養分をたっぷり吸い上げることができるから。
  • 様々な長所を持つヴィエイユ・ヴィーニュを厳選することで、ワインに複雑味を与えることが出来るから。
  • ヴィエイユ・ヴィーニュから生み出されるブドウはおのずと収量が押さえられ、高品質であり、それを買付け醸造するネゴシアンにとっては最大の利点であるから。

これらは全て、土壌、ブドウの木、畑の作業、畑の向き、木の健康状態といった要素を長い間見てきた経験によって得られたポイントなのです。

僕の理想とするワインを造るため、より良いブドウが出来る区画を見つけ、そして契約した後のフォローなど、入念な作業が行なわれます。まず、ヴィニュロンから提出された資料を元に畑を視察し、今度はより技術的に、その畑で行なわれている栽培法などを調査した上で、最適と判断した作業方法をアドバイスしています。また同時に、有機栽培への転向の指導もしています。

高品質なワインを造るためには、「出来るだけ余計な手を加えない」。これがポイントだと思っています。といっても、「手を抜く」ということではありません。いわば、分析結果や醸造報告書の「数値」ばかりを頼りにするのでなく、「感覚」や「味覚」といった人間の感性をバロメーターに醸造作業をしているということです。

実際に、そのヴィンテージに適した醸造のスタイルを求めて醸造日数を変えています。例えば、1997年は15日間だったものが2001年は30日でした。

  • 収穫されたブドウはすぐに選別されます。良いワインを造るのに不向きな房を取り除くことで、原料となるブドウ全体の質を向上させることができます。ここで手を抜かない事が、ワインの出来に大きく関わってきます。
  • テロワールを表現したワインを造るには、先にもお話した通り、出来るだけ余計な手を加えないことが大事だと考えています。特に「醸造」においてはそれが重要で、僕は醸造の過程で酵母、バクテリア、酵素、酸などは添加しません。発酵途中ではピジャージュ(発酵で浮き上がってきたブドウの皮などの層を押し下げる作業)を多く行ない、10日ほど置いた後、発酵タンクから出します。
  • 醸造中は1日に3~4回ほど味をチェックします。デキュバージュ(発酵タンクからワインを汲み出す作業)と圧搾は果汁の良い部分だけを取り出すため丁寧かつソフトに行い、マロラクティック発酵が始まらない様に低温デブルバージュを1か月かけて行ないます。

僕はこのグラン・カーヴで、ピノ・ノワールの醸造について多くを学びました。樽からの要素は控えめにすることで、ワインに素晴らしいフレッシュさとこの品種ならではの果実味をもたらす事ができます。

「余計な手を加えない」というポリシーは熟成においても同じで、樽に詰めた後15~20ヶ月間、細かい澱と共に寝かせます。その間、アルコール発酵によって自然発生する炭酸ガスを活用し、またマロラクティック発酵を遅らせることで酸化防止材の使用を最低限にとどめています。

  • 全てのワインは瓶詰めの直前に、澱引きと品質の均一化を図るためのブレンドがなされます。
  • 昔ながらの方法での澱引き:樽の穴に蛇口を差し込み、澱引きをします。この方法は、重力の力を借りることでポンプなしで空気中にワインを押し出すことが出来、受け皿に流れるワインを確認することで、濁りのないワインになるのです。(ノンフィルターで瓶詰めされるワインなだけに、この作業によって澱を取り除くことが大切なのです。)
  • この澱引き作業は旧月(満月の1週間後)に行なわれます。この日は月の引力が一番弱く、従って澱が樽の底に落ち着き、ワインを痛めずに澱引きすることが出来るのです。

これら一連の作業はビオディナミカレンダーに従い、出来るだけ「果実の要素が強い期間」に行なうようにしています。(ビィオディナミカレンダーのサイクルには「花」「根」「果実」「葉」の要素が強い期間が順番に訪れます。)この方法を取る事によって余計なものを加えなくとも、長期熟成に持ちこたえ、果実味のしっかりしたワインが出来るのです。