マルセル・ラピエール シルブール

Marcel Lapierre Chiroubles

マルセル・ラピエール

近年ますます増えつつある『自然派』と呼ばれるワイン。その教祖ジュール・ショヴェの精神を受け継いだ自然派の大御所がこのマルセル・ラピエールです。今や自然派の重鎮とも言えフィリップ・パカレの師でもあり叔父でもある彼のワインは伝説のワイン100(フランスでも最も有名な超一流レストラン『タイユヴァン』のオーナー、ジャン・クロード・ヴリナ氏が30万本のワインの中から伝説のワイン100と題して全世界トップ100のワインを彼自らが著書にしている)に唯一選ばれたボジョレーです。最近になって、有機農法を標榜する生産者はかなり増え、流行の兆しさえ見えているが、彼は昔からこれを実施していた。殺虫剤や除草剤はもちろん、防腐剤さえ使っていません。

ラピエールのワインの特徴は、除草剤を使わないことにも由来している。除草剤を使うと、草だけでなく、その畑に生息している酵母菌も死ぬ。使わなければ、酵母菌は生きてブドウに付着し、アルコール発酵を促す。一般に、ワイン生産者は、自分の好みの酵母(培養酵母)を使う。使い慣れた酵母であれば、発酵のプロセスを熟知しているので管理がしやすい。しかし、土着の酵母(天然酵母)となるとそうはいかない。畑には何種類もの酵母が生息しているので、年によって優勢となる種類が違う。ある酵母の発酵のプロセスを理解したとしても、次の年にも同じものが付着し、経験を応用できるとは限らないのである。ラピエールは、そうした困難なワインづくりを実践している。毎年毎年、どんな種類の酵母が付着しているかわからないブドウを発酵させるわけだから、そのプロセスを丹念に監視しつつ、アルコール発酵を進めている。