ボニー・ドゥーン シラー ル・プッスール セントラル・コースト

Bonny Doon Syrah Le Pousseur Central Coast

セントラルコースト内の複数の優良栽培者により手摘みで収穫されたシラーを、その栽培者ごとのロットに分けて最終的にブレンド。極力人の手を排した自然なワイン造りにより、この価格帯としては非常に質の高い1本となった。高すぎないアルコール、北ローヌを思わせるスパイシーでエレガントなシラー。

ボニー・ドゥーン

ボニー・ドゥーンといえばローヌ品種のリーダー、天才、鬼才、ギーク、様々な評価が飛び交うランドル・グラムの名がすぐに浮かぶ。かつて天才醸造家と呼ばれた彼は幸か不幸かビジネスのセンスも持ち合わせていたため、おなじみの寿司ラベルを始めユニークなブランドを次々にリリースし、商業的な大成功を収めた。また、カベルネ、シャルドネなどのメジャー品種に傾倒せず、シンセティックコルクやスクリューキャップをいち早く導入するなど数々の改革を行い、多くの生産者に多大な影響を与えた。近年に至り子宝に恵まれたことや、自信が病に倒れたことなどからワイン造りの方向性を見つめ直し、バイオダイナミクスを含む自然なワイン造りを実践する小規模生産者へ原点回帰ともいえる大転身を行い話題をさらった。ユニークなラベルや笑顔を誘うワイン名は相変わらずだが、グラムの造り出す作品は豊かな果実味とアルコール感にバランスの取れた酸のエレガンス、本拠地サンタ・クルーズ・マウンテンをはじめとするカリフォルニア各地の気候風土が培う個性とそれらのブレンドによる高次元のバランス、深い経験と確固たるポリシーから生まれる高品質ワインだけが持つ複雑さを備えている。カリフォルニアワインのあるべき姿を示す素晴らしい味わいによって味覚を楽しませるとともに、現代のワイン造りが抱える様々な問題点を飲み手に投げかける、最も思慮深い造り手の一人。